(改装中)土の中からじっと見る

リニューアル予定です

あまりにも面白くなさそうなベタ邦画の予告を見たので、それを全部裏切る展開を考えてみた

先日見かけた映画予告が、「もうそれ予告で9割ネタバレしてんじゃん」というものだった。実際、あれ以上のものはその映画の中にはないと思う。たぶん。

 

・桜舞い散るなかで微笑みながら花びらに手をのばす主人公(見た感じ20歳くらいの若い女性)

・と思ったら突然意識をうしなって倒れる主人公

・持ってあと一年だと余命宣告される。「後悔のないように、生きてください」

・死ぬ前に一度でいいから恋を経験したい

・いかにもクール系で口の悪そうな(恋愛自体あまり興味なさそうな)イケメン登場

・そのイケメン相手に、とにかく私と付き合ってください! と疑似恋愛を開始

・最初は疑似恋愛だったのがだんだん本物の恋に…

・ちなみに彼女は三つ編みおさげでメガネでもさっとした服装だけど、メガネはずしたら美人オーラが満載。そもそも女優さんが美人。超小顔で目のおっきなお人形フェイス。その眼鏡は確実に度が入っていない

・ぜったい途中で彼のためにばっちりお化粧してお洒落して美女に変身するだろ

・季節が飛び、雪の降る橋の上で「あああーーーっ!!!!」と絶叫するイケメン

・春に倒れる→「どんなに長くても」あと一年の余命→主題歌が冬の恋の歌→どう考えてもクリスマスあたりに超重要なことが起きる

・「まだ一年も経ってねーよ…春になったら、一緒に桜を見ようって約束したじゃねぇかよ!!」的なことを泣きながら言うイケメンが目に浮かぶ

・で、翌年の春に桜が咲いてる光景の中で【完】だろこれ

・クリスマスに奇跡が起きれば、二人で桜舞い散る中を歩いてんだろうし

・残念ながら死別したなら、桜舞い散る中でお墓参りだろうし

・「桜の花びらの色って、本当は白いんだって。まるであの日一緒に見た雪、みたいだよな…」ってやかましいわ

 

邦画あるあるを贅沢につめこみましたみたいな

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常々思ってるんだけどねぇ、喪女やブス設定のところに、思いっきり美少女or美人な女優さんをキャスティングしてメガネかけさせて、服だけちょっともさっとした「サブカルガール」の方向性で誤魔化すのいい加減やめません? メガネかけて厚めのロングスカートとぺたんこ靴にしただけで美女オーラが消せると思ったら大間違いだよ。

夫に、「この映画の面白くなさそう感はんぱないって。こんなの出来ひんやんふつう〜」と言ったところ「むしろ、予告で出てるこれをぜんぶ裏切る映画だったら面白いのにね」という答えがかえってきた。天才か。

あれを全部裏切る展開というと…(以下妄想劇場)

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主人公は実は彼女ではなく彼。ただのイケメンじゃなくて超大富豪の長男。「◯◯家の跡取り」「あの◯◯家の…」という扱いをされることを嫌って家を飛び出し、なんの変哲もない一般庶民としてそこらへんのアパートとかに住んでる。

主題は「社会の超上層に生まれたがゆえの孤独と葛藤」。ダウントン・アビーのようなめくるめく政治と陰謀が見え隠れ。

ある日、余命宣告されているという『彼女』と出会う。その必死さに押される形で渋々付き合ってみると、彼女はとてもピュアで可愛らしく、心が洗われるような瞬間が何度もあった。

残された時間でまだ経験してないことをやりたいと、ひたむきに生きるその姿に、「俺も今のうちに出来ることをやらなきゃ……」と今までずっと逃げていた実家、もとい自分の生い立ちと向き合う決意をかためる。

 

しかし、彼女がピュアな喪女なのも不治の病だというのも、実はすべて演技だったのだ。

 

クリスマス。入院してて会えないはずの彼女が、めっちゃ派手な美女になって裕福そうな男性とデートしてるのを見かけてしまう。どういうことかと問い詰めると、まったく悪びれることなく

「あーあ、バレちゃった☆ だってあんたの実家が資産家なの知ってたから。あんたが厭世的に人を遠ざけて暮らしてたのも知ってたけど、余命宣告されてるって言えばいくらあんたでも付き合ってはくれるだろうと思って♡ 

ひとまず付き合っちゃえば、あとはうまいこと実家に戻らせるようにして、後を継いでもらって〜。で、病気のことはあなたと付き合ったことで脳が幸せ物質出して奇跡がどうとか言えば、感動して私のこと大事にしようってなるでしょ?(´∀`*)ウフフ」

 

雪が舞う中、ふらふらとどっかの橋の上にたどり着くイケメン。

……そんな目的で俺に近づいたのか……でも、それでも好き!!!!!むしろすげぇグッと来た!!!!俺ドMだったの!???そういえば子供のころから、守られる系ヒロインより敵の女幹部の方が好きだったわ!!!ふわふわワンピースより黒ボンテージ派だったわ!!!この想い、どうすりゃいいの!?!???

という諸々が抑えきれず「あああーーーっ!!!!」と絶叫

 

翌年の春……大きな桜の樹の下。舞い散る花びらの中。

往来からはギリギリ見えない位置で、露出羞恥プレイを幸せそうに楽しむ彼と彼女の姿があった。もちろん露出してるのは彼。彼は今、幸せだった。偽りの自分を捨て、孤独から抜け出し、本当の自分を解放できたから。

                 【完】

 

実はこういうラブコメでした☆ だったら見たいなぁ。ベタな予告打っといてぜんぶ裏切る系映画、どっかに作って欲しい。